Complete text -- "スポーツクラブアクトスよりお知らせ"

15 May

スポーツクラブアクトスよりお知らせ

★管理栄養士 吉岡より
【ATS発!食事と飲み薬のお話】


こんにちは、管理栄養士のメディカル吉岡GFJです。
さてさて、TDL、USJ、AKB、USB、…。最近はアルファベット3文字の略称がなんと多いこと。似たようなものも多くて、言い間違っちゃうことや、どっちがどっちだかわかんなくなっちゃうこともしばしば。
では皆さん、「GFJ」って何の略称か御存知でしょうか?答えは・・・


G・・・グレープ
F・・・フルーツ
J・・・ジュース
そう、「グレープフルーツジュース」の略称でした。

「フン、バカなことを」と鼻で笑った方!
実は、医療の現場では当たり前に使われる略称なんです。
なぜこんな略称があるのか??
それはグレープフルーツジュースがある薬の作用に関係するからなのです。
そこで今回は、食事と飲み薬のお話です。

○食事の影響

飲み薬も基本的には食物の栄養素と同じで、胃を通過して小腸で吸収されます。なので、食物を消化する際の胃内環境が薬の作用に大きく関係してきます。主に影響する点は3つ。

1.薬が胃内に留まる時間
胃内に消化中の食物があると薬が胃内に留まる時間が長くなります。

2.胃酸の量
胃内に食物があると消化のために胃酸がたくさん出るので、薬の溶解具合に影響が出
ます。意図した箇所、時間で溶けないことは薬に作用に大きく関わります。

3.食品成分との関係
食品中の成分が薬の成分と反応して、作用を強めたり弱めたりすることがあります。
この内1と2が食前、食後、食間などの飲み方に、3が飲み合わせに影響しているのです。GFJは3の例ですね。

○食前、食後、食間に飲む理由

・食前、食間に飲む薬

これらは主に食物や胃酸が作用に大きく影響する薬です。鎮静薬の中には、食後に飲むと胃酸がその吸収と作用を強め過ぎてしまい、呼吸抑制や過度の血圧低下につながるものも。逆に、腸に届く前に胃で溶けてしまい効果が弱くなるものもあります。

誤解されやすいのが「食間」。これは食事中に飲むということではありません。食後2時間くらい経ち、次の食事までの間に飲むということです。誤解のないように〜

・食後に飲む薬

これは主に食物や胃酸がその吸収と作用を良好にするものです。溶けにくい薬の吸収
を良くしたり、咳止め薬のようにゆっくり吸収し作用を長い時間持続させたい薬など
はこれにあたります。また、風邪薬などは空腹時に飲むと胃に刺激が強すぎるものも
多いため、食後に飲むのが一般的です。

○食品との関係
はっきりと作用に影響する食品成分というのは、実はまだ明確でないものが多いのですが、わかっているもののいくつかを御紹介します。

・グレープフルーツジュース − 血圧降下薬など
作用を強め過ぎてしまい、過度の血圧低下、めまいや頭痛などの副作用を強めます。

・納豆 − 血液抗凝固薬
納豆に含まれるビタミンKの血液凝固作用が、薬の作用を弱めてしまいます。

・牛乳 − 腸溶剤
腸で溶けるようにつくられた薬のコーティングがはがれ、胃内で溶けてしまい作用が弱くなるか、あるいは消失してしまいます。

・アルコール − ほとんどの薬
薬を代謝するのは肝臓です。アルコールを代謝するのも肝臓。肝臓に負荷がかかり、飲酒が薬の正常な代謝を狂わせてしまいます。

こんなわけで、血圧降下薬を飲んでいる患者さんのカルテには、「GFJ禁止」なんて指示が書かれていたりします。
入院患者さんの場合、医師からの食事の指示書に「GFJ禁」とあるのを確認して、管理栄養士がグレープフルーツを食事に出さないように気をつけるのです。

医師や看護師、薬剤師、管理栄養士の間で使われる3文字略称「GFJ」・・・
くれぐれも、喫茶店で「GFJ1つ!」なんて注文しないように!(笑)

※薬はなるべく白湯か水で、指示された用法用量を必ず守って飲みましょう!

★タイトル中の「ATS」はアクトス(AXTOS)の略でした。


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15:27:14 | axlog | |
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